塩野 DEF レビュー
塩野選手の名前を冠したドニックのラケット、塩野DEFのレビューです。
年明けの全日本で活躍するかと思いきやご本人は使用していないそうで、スペックが特徴的なだけに誰向け想定なのか少し疑問。
日本でもヒットしたデフプレイセンゾーと、VICTAS松下浩二との比較でレビューします。
外観
発売前に公表されたスペックで目立ったのは、このブレードサイズ。
161x152mmというサイズは、カット用ラケットとしては一回り小さく攻撃用ラケットのコルベルに近いサイズになります。
合板構成は三枚合板の全てスプルース(高級イタリア松)、板厚は6.1mmとカット用ラケットの中でも厚めの部類で、スプルースは柔らかくやや弾み、添芯として使われることが多い木材です。
私が塩野DEFで一目惚れしたのがこのグリップ。滑らかな円柱に近い3Dグリップとなっております。
グリップエンドからブレードに向かってなだらかに薄くなっており、握ると自然と深めのグリップになります。プレー中に浅いグリップに変えると親指が引っかからないのですっぽ抜けてしまうかもしれません。
弾みと打球感、しなり
檜単板が薄くなって弾みが落ち着いたような感じです。
柔らかめで弾み、高めの音、0.3〜0.5mmの粒高では結構手に響きます。
デフプレイセンゾーは硬くて板が薄かったのでポコポコと球威が抜けるような感じでしたが、塩野DEFは押し負けない。
しなりは、松下浩二よりはしなりますが、デフプレイセンゾーのようにぐにゃっとはしなりません。
デフプレイセンゾーよりは攻撃がしやすいですね。松下浩二よりは回転がかけやすいです。
塩野選手のアドバイスを受けていますが、デフプレイセンゾーとは違うタイプのラケットでした。
試打
サーブ、ツッツキ
手に響くので切ってる感触がわかります。今までで一番わかるラケットかもしれません。粒高のツッツキが切りやすく松下浩二よりも切れました。
カット
そこそこ弾くので細くて長い粒高で切ると回転が残ります。特にカールP-1R、フェイントロング2はかなり切れる。
ドライブ
五枚合板の松下浩二よりもしなるのでギュッと回転をかけやすく、なおかつ飛距離も出ます。 初速はあまり出ないのでスマッシュよりもドライブ向けです。
総評
ブルーファイアJP01 2.0mm
フェイントロング2 0.5mm
と合わせて155gとかなり軽量なのに、攻撃もできてカットもかなり切れます。
軟らかくて弾む打球感とデフプレイセンゾーほどではないけれど”しなり”がほしい人におすすめです。
攻撃とカットは調整しやすいものの、粒高でのブロックでは極端に弾まなかったり、プッシュの変化が大きかったり台上が少し難しいと感じました。
フラットに強めに当たると結構弾みます。そのため、VICTAS松下浩二より咄嗟のカットは難しかったです。
デフプレイセンゾーに比べるとねっとりした遅いカットにならないので、プレーが早く忙しくなるかもしれません。
ブレード自体は朱世赫や松下オフェンシブで攻撃するような人には物足りない弾みかもしれませんが、そこはラバーでカバーできると思います。
同じDONICで大ヒットとなったデフプレイセンゾー、こちらは極端に弾まなくドライブを抑えるのに特化しているため、攻撃で得点するのは難しいラケットでした。
松下浩二くらいの弾みではラバーの選択が限られてしまう、重量が気になるといった悩みを解決する1本として候補に入れてはいかがでしょうか。